【私たち(PYL)は何をしているのか】


戦争に反対し民衆の平和求める運動に連帯

 私たちは、現代世界の変革を目指す立場から様々な運動に参加しています。
 「9・11」(2001年)、「9・17」(2002年日朝会談)を経て、日本の政治社会は大きく右旋回しました。「テロ」「ならず者国家」から「国民」を守るのは国家しかない。「安全」のために、人権の制限を受け入れるべきだという主張が強力に押し出されています。政府はこれを最大限に利用して、03年有事3法(武力攻撃事態法等)・04年有事7法(「国民保護法」)と、憲法9条のために戦後制定できなかった有事法制を立て続けに制定。2003年にはイラクへの初の戦時戦場派兵・占領を開始しました。米軍の世界戦略と連動して、自衛隊の攻撃軍化が進められています。
 私たちは、この「国家による安全」イデオロギーに抗し、日本国家を戦争のできる「普通の国」にする有事体制づくりに反対します。地域・職場からは、自衛隊派兵・有事体制作り・戦争協力に反対する様々な運動が展開されています。地域から、戦争体制づくりに反対し軍事力によらない平和を目指す運動を強く支持します。国家によらない「民衆の安全保障」、地域からの民衆連帯をつくり出すための共同した行動に参加します。
 米軍基地が集中する沖縄に一層の犠牲を押しつける新しい米軍基地建設に対して、沖縄の民衆は日米安保・基地に反対の声をあげています。私たちも、基地撤去を求め沖縄民衆・反戦地主の闘いを支持し、「本土」(ヤマト)での連帯行動に参加しています。
 新自由主義「改革」のための日本国家・社会の全面的な改造を狙う憲法改悪に反対します。特に、憲法9条を改悪する動きに対して「非武装・非軍事」の立場から反対します。ただし、私たちは単に条文が変わらなければよい、「安保・自衛隊は合憲」という解釈改憲論にすぎない「護憲」論にも強く反対します。
 日本の軍事大国化を進める自衛隊の海外派兵、攻撃軍化に対しては、自衛隊基地や首相官邸、日本経団連などに対して抗議の声をぶつけています。
 「対テロ戦争」と「人道的介入」という戦争が大国によって発動されています。私たちは、米国など大国による暴力による世界支配に反対し、非武装・非暴力の民衆的オルタナティブを追求します。

新ナショナリズム・歴史修正主義に反対します

 日本社会では、90年代半ば以降、「自由主義史観」を名乗る歴史修正主義の動きが強くなり、若い世代でも一定の支持を拡大しています。 

 「9・17」(2002年日朝首脳会談)以降、「北朝鮮」の「拉致問題」を理由に、かつて「植民地していた国からなめられてたまるか」という排外主義・ナショナリズムが強力に煽り立てられ、右翼・右派は「北朝鮮との戦争」を公然と叫んでいます。

 「自由主義史観」のように、歴史事実をねじ曲げて歴史の「物語」に「癒し」を求めるのは、危険極まりないものです。それは、他民族やマイノリティを排除することで自分の「自尊心」を満足させようとするもので、旧ユーゴスラビアでの民族紛争の論理と違いはありません。日本の軍事大国化の動きの一つの現れとも言えます。

 日本国家はアジアの戦争被害者への戦後補償をしないことを正当化していますが、日本の侵略戦争・植民地支配による戦争加害は拉致問題と同じ国家犯罪であり、共に解決すべきものです。歴史認識でのアジア諸国の批判はまったく正当なものです。

 しかし、中国や韓国などにおいて、権力者が「領土」・資源問題などを利用してナショナリズム・愛国主義を日本と同様に煽り立てている側面は無視することはできません。私たちは国家の論理を拒否し、国境を越えた民衆連帯を目指します。

 99年8月に制定された国旗国歌法後、広島・東京と一層強められた強制は、ナショナリズム強化の一環です。私たちは、「日の丸・君が代」強制に対して、地域・学校・職場でたたかっている児童・生徒・教育労働者・住民の運動を支持し、戦争の旗・天皇の歌に反対します。

 侵略戦争・植民地支配を正当化し、戦死者を死後も戦争動員し差別し続ける靖国神社の解体を求めます。小泉の連続した靖国参拝を弾劾し、首相・閣僚・知事らの靖国参拝に強く反対します。

 国家による差別の根源である天皇制に反対し、その廃止・解体を求めます。侵略と差別の歴史をねじまげて天皇制を強化する、天皇奉祝式典、国体・植樹祭、様々な皇室行事などへの翼賛・動員に反対し、地域戒厳体制を突破して抗議の声をあげています。女性天皇キャンペーンによる天皇制強化にも反対します。

グローバリゼーションに反対しグローバルな正義をめざす 市民的公共性を追求し地域からの変革をめざす

 多国籍資本が世界中で好き勝手に環境破壊や労働者使い捨てができるグローバリゼーション(資本の自由化)が拡大しています。これに対する抵抗が世界中で起きています。世界社会フォーラムや反WTO闘争へは世界中の様々な運動が参加しています。

 日本でも、WTO(世界貿易機関)やFTA(自由貿易協定)に参加する運動、トービン税問題(※)への取り組み、遺伝子組み換え反対、米国産BSE牛肉輸入反対など、様々な運動が取り組まれています。私たちは、反グローバリズムのたたかいに参加していきます。

 新自由主義に基づく福祉の市場化=切捨てに反対しています。

 労働者(特に若い世代)の労働者としての権利を奪い、非正規職(いわゆる「フリーター」)として安くこき使おうとする格差社会=「現代の身分制度」(大企業の正社員とフリーター・非正規職労働者)を強く批判します。政府・大企業が、労働者(特に若者)の希望・雇用機会・労働基本権を奪っておきながら、若者を「ニート」とやゆして、若者・失業者に責任を転嫁する「自己責任」論を強く批判します。

 リストラ推進で増大している野宿労働者・ホームレスなどの生存権をめざす野宿者支援の運動に参加しています。

 私たちは地域からの社会の変革をめざす運動に取り組んでいます。市民派の活動に参加し、市民派議員の誕生を実現し、地方議員のネットワークや政策研究の活動を応援しています。

 空港・原発やごみ処分場など、ムダな公共事業・巨大開発に反対し、いまの社会のあり方を問い直すエコロジーな社会をめざす運動にもコミットしています。

 騒音による追い出しを図る暫定滑走路建設、滑走路北側延伸など成田空港の強権的な拡張工事に反対している三里塚農民の運動を支持し、現地抗議デモ、反対集会、署名運動などを共に担っています。

 いまの日本社会で問われなければならないのは、「国家=公共性」というありかたそのものです。私たちは、現在の日本社会に対するオルタナティブなビジョンと政策を積極的に提案していこうとしています。

 また、2004年参院選では「みどりの政治」をめざす勢力の運動を支持し、市民派の政治勢力の制度圏(議会)への進出を目指す活動を支援しています。市民派は自治体議会では着実に成果を上げています。

(※)通貨取引税。最初に提唱した経済学者トービンの名をとった。実体経済とかけ離れ、マネーゲーム化した国際的な金融取引に課税し、税収は貧困・環境対策などに使おうという主張。アタックなど反グローバリゼーションの運動が導入を主張。一部の議会・政府は運動の要求を受け入れ、導入を提唱している。


解放思想を探究する

 民衆の解放思想として20世紀の歴史において大きな役割を果たしてきた「共産主義」に代わる新しい民衆の解放思想を探究しています。具体的には理論・学習のためのグローカルセミナーの開催、グローカル座標塾の開催など様々な理論的思想的活動を行っています。

  ◎グローカルセミナー
2004年10月 「新しい公共性」を構想する
 「新しい公共性」の論点と視座  宮部彰
 自治体公共サービスの民間委託を考える
2003年10月 WTOを徹底批判する
  WTO徹底批判と私たちの課題  佐久間智子さん(「環境・持続社会」研究センター)
  グローバリゼーションの中での帝国と国家  白川真澄
2002年9月 グローバリズムと危機管理・治安国家化を批判する視点と実践的展望
  グローバリズムに対抗する視点と地域活動   古田睦美さん(長野大教員)
  自治体から有事法制・住基ネットに反対する  重松朋宏さん(国立市議)
2001年8月 小泉「構造改革」をぶった斬る
  小泉「構造改革」をぶった斬る  白川真澄
1999年9月 「人道的」戦争と介護保険問題
  民活導入と介護保険制度  佐藤浩子さん(中野区議)
1998年 新しい政治思想と社会構想を展望する
1997年 ラディカルデモクラシーと自己決定

  ◎グローカル座標塾
 2004年10月から東京でグローカル座標塾を開講しています。第1期(04年9月〜05年3月)は以下の5つのテーマを扱いました。講師は白川真澄。

  ○第1期
 第1回 自己決定「自分で決めるって、どういうこと?」
 第2回 競争「競争にすべてゆだねて大丈夫」
 第3回 人権「人権って何だ?」
 第4回 共助「助け合って暮らすって、どういうこと?」
 第5回 暴力「暴力はなくせる?」

※第1期の内容は、座標ブックレット@『格差社会から公正と連帯へ』(工人社、1200円+税)として05年12月発行!

  ○第2期
 05年7月からは、下記のテーマで第2期(2005年7月〜06年1月)を開催しています。今後も継続して開講します。
 第1回 グローバリゼーションは暴力だ!      7月22日
 第2回 不安とあきらめの格差社会−−その正体  8月26日
 第3回 公共性って、何だ?                9月30日
 第4回 左翼はなぜ、ここまで衰弱してきたのか? 10月28日
 第5回 社会はどうやって変えられるのか?    11月25日
 第6回 どこに希望を見つけ、創りだすのか?   2006年1月20日

○第3期
 第3期も06年7月から開講の予定
 ※詳しくはホームページをご覧下さい。
 http://www.winterpalace.net/zahyoujuku/

 私たちの主張を発信するメディアとして、新聞「グローカル」(月刊)を発行。ホームページも開いています。また、雑誌『蒼生』『コンミューン』(不定期刊)、「グローカル重要論文集」(VOL.1〜7)などパンフレットを発行しています。
 ホームページ
URL http://www2s.biglobe.ne.jp/~mmr/glocal/

■私たちの主張を発信する物として、新聞「グローカル」(月2回刊)を発行。ホームページも開いています。また、雑誌『蒼生』『コンミューン』(不定期刊)、「グローカル重要論文集」(VOL.1〜7)などパンフレットを発行しています。
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URL http://www2s.biglobe.ne.jp/~mmr/glocal/