第1回 トランプのアメリカはどこへ向かうか?
 2017年1月20日(金) 講師・大井赤亥
コメント・白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)
文京シビックセンター

 大方の予想を覆して、あのトランプがアメリカの新大統領に就く。トランプの勝利は、冷戦終焉以降の世界を席巻してきたグローバル化の波が、その総本家で拒絶されたことを意味する――しかも極めて歪み捻じれた表現をとって。格差と貧困化に対する大きな不満、既存の政治に対する人びとの深い絶望が、移民排斥や女性蔑視や人種差別を広言するトランプを押し上げた。同時に、現状への怒りが多くの若者のサンダース支持のうねりとして登場したことも忘れてはなるまい。
 一体、アメリカ社会に何が起きていたのか。アメリカは「世界の保安官」役と自由貿易に背を向けてどこへ向かうのか。これから、世界はどうなるのか。トランプのアメリカを解き明かす。
 
   
     
   第2回 左翼は再生できるか
 2017年2月17日(金) 講師・白川真澄
コメント・天野恵一(反天皇制運動連絡会)
文京シビックセンター(予定)

 安倍政権は2012年以来、4回の国政選挙で大勝し「一強多弱」の体制を作ってきた。対抗するリベラル・左派の政治勢力は、劣勢を強いられている。もちろん、人びとは沈黙してきたわけではない。2015年夏の安保法制反対運動は高揚し、原発再稼働に反対する現地の運動は粘り強く展開され、沖縄の人びとのたたかいは頑強に持続している。大衆的な運動の活性化は、野党共闘、野党と市民の連合という新しい政治表現を生み出した。しかし、スペインのポデモスに代表されるような新しい政治潮流を出現させることはできていない。
 右翼主導の保守政治に対抗する政治主体をどう創り出すのか。リベラルと左翼の連合を進めながら、グリーン・レフトとしての左翼の再生が求められるのではないか。講師の新著『左翼は再生できるか』をテキストに、論じ合いたい。
※テキスト『左翼は再生できるか』は受講者に割引販売します。
   
     
第3回 資本主義に未来はあるか
2017年3月17日(金) 講師・白川真澄
コメント・未定
文京シビックセンター(予定)

 資本主義に対する深い懐疑と根本的な批判が急速に広がっている。先進国では、中央銀行がいくら巨額のマネーを供給し続けても低成長から抜け出せない。中国をはじめ新興国の経済も、失速している。いまでは、資本主義の「終焉」論や「長期停滞」論や「低温経済」論といった暗い見通しが相次いで語られている。ハーバード大学が今春全米の18~29歳の若者を対象に行った世論調査では、51%が「資本主義を支持せず」と答えたといわれる。NHKのドキュメント番組「マネーワールド」も、資本主義が永遠に続くという神話に水を浴びせるものだった。
 資本主義はいま、どこに来ているのか。どこへ向かっているのか。資本主義に代わるオルタナティブは何か。大胆に、そして熱く語ってみよう。
 
   
     
  講師プロフィール   
  白川真澄
しらかわますみ。1942年生まれ。60年安保闘争、ベトナム反戦、三里塚闘争などの社会運動に関わりつづけ、90年代からは「地域から政治を変える」ことを追求。フォーラム90s、ピープルズ・プラン研究所など理論活動のネットワークづくりにも力を注いできた。著書に『脱成長を豊かに生きる-ポスト3・11の社会運動』(社会評論社)『脱国家の政治学』(社会評論社)『どこが問題!郵政民営化』(樹花舎)『格差社会から公正と連帯へ 市民のための社会理論入門』(工人社)『格差社会を撃つ ネオ・リベにさよならを』(インパクト出版会)『金融危機が人々を襲う』(樹花舎)ほか。最新著に『左翼は再生できるか』(研究所テオリア)。

大井赤亥
おおいあかい。1980年生まれ。日本学術振興会特別研究員、東京大学・昭和女子大学非常勤講師。政治学・政治思想史。論文に「H・ラスキの見た1930年代アメリカのニューディール―『マルクス主義者』によるリーダーシップ論」(『政治思想研究』、風行社、2015年)、「原爆投下をめぐる『必然性』と『自由』」(『現代思想』、青土社、2016年8月号)、『運動を掴む政治学のために 熟議・左派ポピュリズム・「戦後民主主義」』(『現代思想』臨時増刊「安保法案を問う」青土社、2015年10月)、共著に『戦後思想の再審判』(法律文化社、2015年)など。 
 
     
  座標塾では、何を学ぶのか   
   
 座標塾では、現代の世界と社会を解き明かし、「もうひとつの世界」を構想するために必要な基礎的な理論と原理をじっくり学習します。
 現在起こっているさまざまの出来事を情報として知ることは、インターネットや講演会やシンポジウムや雑誌などによって簡単にできるようになっています。しかし、そうした情報としての知識に頼るだけでは、ひたすら新しい情報を追いかけることに終わってしまいます。運動や活動の現場でも、多くの情報が溢れていますが、互いにじっくり討論するための共通の言葉は乏しいままです。理論や学問の世界でも、あまりに専門的な細分化が進んでいて、必要な方法論や基礎的な理論を学ぶよりも、最新情報を収集することに追われています。
 いま必要とされていることは、きちんとした方法論や理論にもとづいて現実を分析したり説明する能力を培う、そして意見の異なる相手と対話し討論できるための共通の「言葉」を身につけることだと思います。


どのように学んでいくか

座標塾では、少人数方式で、(1)講師による講義(60分)、(2)質疑応答(60分)、(3)講師による補足の形式をとって、基礎的な理論を系統的に学びます。
◆午後6時30分開始~9時終了
◆講師(第1回):大井赤亥(日本学術振興会特別研究員)
    (第2、3回):白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)
◆講義レジュメを使用します。第2回はテキスト『左翼は再生できるか』を使用。
◆毎月1回開き、今期は3回(金曜日)で1期間とします。

参加を希望される方へ

◎会場 文京シビックセンター(後楽園駅・春日駅・水道橋駅;2回目以降は予定)
http://www.city.bunkyo.lg.jp/sosiki_busyo_shisetsukanri_shisetsu_civic.html

◎参加費 第13期(3回)通し 2500円(テオリア会員1500円)
  1回ずつの場合   1000円(テオリア会員500円)
※申込みは1月13日までに下記へ。(1回だけでも参加可能ですが、期限後は申込できない場合もあります。詳しくは問い合わせください)

◎ 連絡・申込先
連絡先 東京都千代田区内神田1-17-12勝文社第二ビル101研究所テオリア
TEL・FAX 03-6273-7233
email@theoria.info
 
   新刊
◆左翼は再生できるか――戦後日本の政治攻防と社会運動
白川真澄
 研究所テオリア 定価 1000円

◆ 脱成長を豊かに生きる-ポスト3・11の社会運動
白川真澄
 社会評論社 定価 2400円+税


◆『希望社会への新しい座標』ブックレット1
格差社会から公正と連帯へ
-市民のための社会理論 入門-
白川真澄
A5版 120頁  定価 1200円+税


◆新聞テオリア
月刊10日発行 タブロイド版8頁

 《定期購読料金》
一年=4000円
半年=2000円
郵便振替 00180-5-567296 研究所テオリア

 
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